ライブラリーの作成

ライブラリーとは、インデックスの付いたオブジェクト・ファイルのコレクションです。ライブラリーは、リンクされたプログラムで必要な場合にインクルードされます。オブジェクト・ファイルとライブラリーを組み合わせることで、ソースを公開せずにコードを簡単に配布することができます。また、より少ないコマンドラインの入力で、プロジェクトをコンパイルすることができます。

スタティック・ライブラリー

スタティック・ライブラリーを使用して生成された実行ファイルは、個々のソースまたはオブジェクト・ファイルから生成された実行ファイルと同じです。スタティック・ライブラリーは、ランタイムでは必要ないため、実行ファイルを配布する際に含める必要はありません。一般的に、コンパイル時には個々のソースファイルをリンクするより、スタティック・ライブラリーをリンクするほうが早く処理することができます。

Linux* でスタティック・ライブラリーをビルドする方法:


  1. -c オプションを使用して、ソースファイルからオブジェクト・ファイルを生成します。
    icpc -c my_source1.cpp my_source2.cpp my_source3.cpp

  2. GNU* の ar ツールを使用して、オブジェクト・ファイルからライブラリーを作成します。
    ar rc my_lib.a my_source1.o my_source2.o my_source3.o

  3. プロジェクトをコンパイルして、新しく作成したライブラリーをリンクします。
    icpc main.cpp my_lib.a

ライブラリー・ファイルとソースファイルが異なるディレクトリーにある場合、-Ldir オプションを使用して、ライブラリーのディレクトリーを指定します。
icpc -L/cpp/libs main.cpp my_lib.a

Mac OS* X でスタティック・ライブラリーをビルドする方法:


  1. 次のコマンドラインを使用して、オブジェクト・ファイルを生成し、ライブラリーを作成します。
    icpc -fpic -o mylib.a -staticlib my_source1.cpp my_source2.cpp my_source3.cpp

  2. プロジェクトをコンパイルして、新しく作成したライブラリーをリンクします。
    icpc main.cpp my_lib.a

ライブラリー・ファイルとソースファイルが異なるディレクトリーにある場合、-Ldir オプションを使用して、ライブラリーのディレクトリーを指定します。
icpc -L/cpp/libs main.cpp my_lib.a

プロシージャー間の最適化 (IPO) を使用する場合は、xiar を使用した「IPO オブジェクトからのライブラリーの作成」を参照してください。

共有ライブラリー

共有ライブラリーは、ダイナミック・ライブラリーまたはダイナミック共有オブジェクト (DSO) とも呼ばれ、スタティック・ライブラリーとは異なる形でリンクされます。ビルドの際、リンカーは必要なすべてのシンボルを実行ファイルにリンクするか、またはランタイム時に共有ライブラリーからリンクされるようにします。共有ライブラリーからコンパイルされた実行ファイルのサイズは小さくなりますが、実行ファイルが正常に動作するためには共有ライブラリーをインクルードする必要があります。複数のプログラムで同じ共有ライブラリーを使用している場合、ライブラリーの 1 つのコピーをロードするだけでかまいません。

Linux で共有ライブラリーをビルドする方法:


  1. -fPIC および -c オプションを使用して、ソースファイルからオブジェクト・ファイルを生成します。
    icpc -fPIC -c my_source1.cpp my_source2.cpp my_source3.cpp

  2. -shared オプションを使用して、オブジェクト・ファイルからライブラリーを作成します。
    icpc -shared -o my_lib.so my_source1.o my_source2.o my_source3.o

  3. プロジェクトをコンパイルして、新しく作成したライブラリーをリンクします。
    icpc main.cpp my_lib.so

Mac OS X で共有ライブラリーをビルドする方法:


  1. 次のコマンドラインを使用して、オブジェクト・ファイルを生成し、ライブラリーを作成します。
    icpc -fPIC -o my_lib.so -dynamiclib my_source1.cpp my_source2.cpp my_source3.cpp

  2. プロジェクトをコンパイルして、新しく作成したライブラリーをリンクします。
    icpc main.cpp my_lib.dylib

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