インテル® C++ コンパイラーのオプションで gcc* との互換性保持に影響するオプションは次のとおりです。
-gcc-name=dir は、-cxxlib とともに使用するオプションで、コンパイラーが gcc の C++ ライブラリーを見つけられない場合に gcc の場所をフルパスで指定します。gcc の標準インストールを行わなかった場合、このオプションを使用する必要があります。
-gcc-version=nnn オプションは、コンパイラーの動作を gcc バージョン nnn と互換にします。-gcc-version オプションは、デフォルトでオンです。nnn の値はシステムにインストールされた gcc のバージョンによって異なります。このオプションは、ABI との互換性が保持される gcc のバージョンを選択します。
-cxxlib[=dir] オプション (デフォルトではオン) は、gcc コンパイラーに含まれている C++ ライブラリーとヘッダーファイルを使用してアプリケーションをビルドします。次のファイルをインクルードします。
オプションの引数 =dir を使用して、gcc バイナリーとライブラリーのトップレベルの場所を指定します。
インテル® C++ コンパイラーは、gcc 3.2、3.3、3.4、4.0、4.1 および 4.2 と互換性があります。
アプリケーションをコンパイルし、リンクして生成された C++ オブジェクト・ファイルおよびライブラリーは、gcc 3.2 以上で生成された C++ オブジェクト・ファイルおよびライブラリーと相互運用が可能です。つまり、インテル® コンパイラーで生成された C++ コードは、gcc 3.2 でビルドされたサードパーティーの C++ ライブラリーとともに使用できます。
gcc 3.2、3.3、および 3.4 はそれぞれ互換性がありません。gcc 4.0、4.1、4.2 はそれぞれ互換性があります。デフォルトでは、インテル® コンパイラーはシステムで見つかった gcc のバージョンと互換性のあるコードを生成します。
システムに含まれている gcc のバージョンが 3.2 よりも前の場合、デフォルトでは、インテル® C++ コンパイラーは製品に含まれているヘッダーとライブラリーを使用します。
インテル® C++ ライブラリーに対して共有ライブラリーをビルドし、gnu C++ ライブラリーに対して別の共有ライブラリーをビルドし、1 つのアプリケーションで両方のライブラリーを使用すると、2 つの C++ ランタイム・ライブラリーを使用することになります。アプリケーションは両方のライブラリーからシンボルを使用するため、次の問題が発生します。
インテル® C++ コンパイラーは、1 つのアプリケーションで複数のランタイム・ライブラリーをサポートしていません。
複数のランタイム・ライブラリーを使用してアプリケーションのコンパイルが正常に行われた場合でも、特に新しいコードが共有ライブラリーに対してリンクされるとき、アプリケーションは非常に不安定になります。
ABI 適合性についての詳細は、http://www.codesourcery.com/ を参照してください。