ループのサポート

LOOP COUNT 宣言子

LOOP COUNT 宣言子はベクトル化、ループ変換、ソフトウェアのパイプライン化 (IA-64 アーキテクチャー) で使用されるヒューリスティックに影響します。宣言子で、DO ループの最小、最大、平均の反復数を指定できます。また、よくある値のリストを指定することもできます。この動作は、コンパイラーが複数のバージョンを生成し、完全なアンロールを行うのに役立ちます。

この宣言子は、次のようなさまざまな構文をサポートしています。

構文

!DEC$ LOOP COUNT (n)

!DEC$ LOOP COUNT = n

または

!DEC$ LOOP COUNT (n1[,n2]...)

!DEC$ LOOP COUNT = n1[,n2]...

または

!DEC$ LOOP COUNT MAX(n), AVG(n)

!DEC$ LOOP COUNT MAX=n, MIN=n, AVG=n

サポートされる引数は、次のとおりです。

引数

説明

(n) または =n

負ではない整数値。コンパイラーは次のループに対し n で指定された回数分の繰り返しを試みますが、反復回数は保証されません。

(n1[,n2]...)

または

=n1[,n2]...

負ではない整数値。コンパイラーは次のループを n1 または n2 で指定された回数分か、または指定されていない回数分の繰り返しを試みます。この動作により、ループアンロールにいくらか柔軟性が生まれます。反復数は保証されません。

min(n), max(n), >avg(n)

または

min=n, max=n, avg=n

負ではない整数値。重複がないように任意の順序で 1 つまたは複数の値を指定します。コンパイラーは指定された最大、最小、平均 (n1) 回数で次のループが繰り返されるようにします。min と max では指定された反復回数が保証されます。

1 つのループに複数の宣言子を指定できます。ただし、宣言子は、重複させないでください。

次の例は、IA-64 アーキテクチャー上で、宣言子でループを反復して、ソフトウェアのパイプライン化を有効にする方法を示します。

ループカウント (n) の使用

subroutine loop_count(a, b, N)

integer :: i, N, b(N), c(N)

!DEC$ LOOP COUNT (1000)

 do i = 1, 1000

   b(i) = a(i) + 1

 enddo

end subroutine loop_count

次の例では、宣言子を使用して、最小回数を 3 回、最大回数を 10 回、平均回数を 5 回に指定してループを反復させる方法を示します。

ループカウント min、max、avg の使用

!DEC$ LOOP COUNT MIN(3), MAX(10), AVG(5)

DO i = 1, 15

  PRINT i

END DO

DISTRIBUTE POINT 宣言子

DISTRIBUTE POINT 宣言子は、指定された位置でループ分配を行うようコンパイラーに指示します。この宣言子の構文は、次のとおりです。

構文

!DEC$ DISTRIBUTE POINT

ループ分配は、大きなループを小さなループに分配することがあります。この方法により、新しく小さめのループ (IA-64 アーキテクチャー) でソフトウェアのパイプライン化を有効にできます。

distribute point の使用

subroutine dist1(a, b, c, d, N)

  integer :: i, N, a(N), b(N), c(N), d(N)

 !DEC$ DISTRIBUTE POINT

  do i = 1, N

    b(i) = a(i) + 1

    c(i) = a(i) + b(i)

 ! Compiler will decide where to distribute.

 ! Data dependency is observed.

    d(i) = c(i) + 1

  enddo

end subroutine dist1

subroutine dist2(a, b, c, d, N)

  integer :: i, N, a(N), b(N), c(N), d(N)

  do i = 1, N

    b(i) = a(i) + 1

    !DEC$

 DISTRIBUTE POINT

 ! Distribution will start here, ignoring all

 ! loop-carried dependency.

    c(i) = a(i) + b(i)

    d(i) = c(i) + 1

  enddo

end subroutine dist2